医療トピックス No.10 CT導入およびそれに伴うストレージシステムのリニューアル

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CTの導入について

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ストレージサーバ強化

ストレージサーバ強化

【ストレージサーバ】
 当院は各モダリティからの医療画像をCDやDVD保存といった煩わしい操作やメディア管理のプロセスを省き、 更にマルチスライスCT内の大量画像(DICOM画像)も、短時間で保存できるようストレージサーバをリニューアル(強化)した。 久留米地元の小さなシステム屋【ナレッジ(株)】が構築したのだが、予想以上に充実しており、驚嘆している。

 まずサーバと言えばHDD障害の為のRAID※5構成。 これは一般のサーバでも当然だが、運用部分は8台のHDDで稼動していて、同時に4台のHDD障害が起きても動き続けるように配慮されている。 RAIDベリファイ(確認)もスケジューリングして自動で行い、異常があると私と業者へメールが届くようになっている。


 また、ホットスワップ※6機能により、HDD障害時のHDD交換が運用中でも可能なので、 サーバの停止は必要ない。更に、HDDの交換後のリビルド(再生)も自動で行い、リビルド中でも運用が可能で、全く業務に支障はない。 それにHDD温度監視機能により、HDDの発熱状況も容易に把握できる。
 次にサーバの運転だが、これも自動で起動・停止・障害検知など行ってくれるので、専門知識や教育の手間も要らず大変省力的である。 そしてソフトウェア障害および設定変更等も、業者によるリモートでのメンテナンスで迅速に対応してくれる。


 ではHDD以外のハードウェアの障害はどう解決するのか。通常だと、障害発生から業者エンジニアが到着するのでも早くて2時間はかかるだろう。 次にその時点から復旧作業に入るので、約数日間サーバは使用できない。だがそんなに医療業務は止めることはできないのである。 これを解決する為に大手企業はホットスタンバイ※7 システムを導入するが、膨大な費用を必要とするため、私達は、ホットスタンバイよりも復旧要件を下げた コールドスタンバイ※8システム(手動)をあえて選択し、 サーバの切り替えを工夫した。しかし、これが、驚くことに、業者エンジニアを呼ばず、私達による約10分程度の簡単な作業で、 同期がとれた運用再開が実現できたのである。このことで費用面と業務停止という心配を最小限に抑えられた。 だが、コールドスタンバイ等の定期的な待機系への切り替え動作テストは避けられない問題であった。 一般的に毎月1回程度の割合で業者が行うその保守費用を決して軽視することはできない。 だが、当院では業者がその問題を解消してくれた。このコールドスタンバイシステムは、通常の本番系と待機系という概念がなく、 1号機と2号機という考えで毎月交互に切り替えて運用することでコールドスタンバイの有用性が確認され、 開業医レベルでも十分活用できるシステムであると思われた。そしてコールドスタンバイの保守料金が不要となり、 ユーザーにとっては非常に満足できるプランとなり有り難く思う。



 今後は、マルチモダリティに対応するDICOM・PACSサーバ化に向けて検討したい。
※5 RAID  … 複数台のハードディスクを組み合わせることで仮想的な1台のハードディスクとして運用する技術。


※6 ホットスワップ  … コンピューターの電源を入れたまま、パーツやケーブルを交換すること。「活線挿抜」とも呼ばれる。


※7 ホットスタンバイ  … 同じ構成のシステムを2系統用意しておき、片方(主系・本番系)を作動させ、もう片方(待機系・予備系)は同じ動作を行ないながら待機状態にしておく。 待機系は主系と常に同じ状態を保っておき、主系に障害が発生すると即座に待機系に処理が引き継がれる。


※8 コールドスタンバイ  … 同じ構成のシステムを2系統用意しておき、片方(主系・本番系)を動作させ、もう片方(待機系・予備系)は動作させずに待機状態にしておく。 主系に障害が発生すると待機系が立ち上がり、処理が切り替わる。

バックアップと世代管理

バックアップと世代管理

【バックアップシステム】
 バックアップは『データ保全』と『システム保全』の2つを目的としている。 言い換えると、一つは「データの紛失を最小限に防ぐ」ことと、二つ目は「業務停止時間を極力防ぐ」ことにある。
 バックアップ媒体は2TBのHDDで取外しが可能なリムーバブル化になっており、バックアップカートリッジを20台用意(※内4台はHDD障害の為の予備となっている)している。 この事より、別媒体での世代管理が可能で、予算や必要に応じて容易に追加できる柔軟性を持ち合わせている。


 バックアップ装置はネットワーク経由で別に存在するものではなく、サーバ本体に直接設置しているので高速処理を実現している。 バックアップ作業も深夜(業務外)に自動的に行っているので、出勤時に即、業務開始が可能であり、バックアップ運用の人件費も削減でき、 更に運用ミスも大幅に軽減される。
  ただ、自動化できないのがバックアップカートリッジの交換である。 そこで交換時に、ホットスワップ機能を使用することで、サーバ停止が不要で、 これもクライアントユーザへの面倒な声かけが省け、業務の一時中断をせず、万全と思えるほどデータ保存に配慮している。
  一般にバックアップというとデータ部分のみのバックアップを連想する。 例えば、人的ミス・ソフト障害・ハード障害・ウィルス・サイバーテロ等でシステムがダウンした時には、 最初からシステムのセットアップや細かい運用設定を構築する場合があり、業務再開までに日数を要する可能性もある。 そこで、当院では、データ領域とシステム領域を物理的に別々のドライブとして構成した。そして、 データ領域のバックアップとは別の媒体にシステム領域を物理的にバックアップし、 前日行ったバックアップ媒体からのリストア(復元)を行うことで、システム領域の再構築が不要という仕組みを作ったのである。
 さらに、最も感心した機能が、前日の変更データ(追加・修正・削除分)を把握し、 気づかない操作ミス等によるデータ紛失を防止するシステムである。 例えば、消去していけない患者Aさんの画像データを誤って消し、それに気付かなかったとする。 バックアップは、その夜、自動実行されるので、翌朝には「患者Aさんの画像データが消えていますけど、いいでしょうか」 と言う具合に教えてくれるのである。


 まだまだ課題は残るが、バックアップ機能もストレージ機能と同様よく出来ているなと思う。

■院内機器構成図


機器構成図1機器構成図2
機器構成図3機器構成図4
(PDF形式)
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CT導入後の状況

CT導入後の状況

2010年8月1日に16列マルチスライスCTが導入され、約4ヶ月が経過した。CT導入後の検査稼動状況は約200 件であり、CTの必要性を改めて痛感した。

【患者様へ】

従来のCTに比べ格段に検査時間が短縮され、広範囲の検査が可能になり、患者様の苦痛、特に状態の悪い患者様でも長時間同一体位を保つことなく楽に検査が受けられる。

また検出器の性能も上がり、患者様の撮影領域総ての断面に対して自動で細かく適切な放射線量が照射されるので放射線被曝も低減できる。 その他にも、コンピュータの性能が向上したため、大量の情報でも短時間に処理でき、患者様の待ち時間も短縮できるようになった。

【医師へ】

CT画像は、従来のCT画像と比べると精細な画像である。 しかも、細かい大量の情報から画像を作成するため、様々な断面の画像や 3D 画像(立体画像)が得られるようになった。 さらに、3D 画像に関しては、血管や骨、臓器などをリアルに立体化し、その画像に色づけなどして病院のスタッフだけでなく、 患者様にもとてもわかりやすい画像が作成できる。 マルチスライスCTで病変の位置、大きさ、状態などの詳細な画像により、正確な診断や治療がより可能となった。 そして外科医にとっては、スムーズに手術を遂行できるというメリットがありそうだ。

【最後に】

マルチスライスCTの検査は、正確な診断や治療を行う上で非常に有意義な検査である。今まで他の施設を利用していたため、 患者様に遠方まで行って撮影してもらうなどご負担をかけていたが、院内にCT設備が出来たことで、必要に応じCT検査が行えると考える。
  従来、コールドスタンバイシステムはホットスタンバイシステムより、費用面では安価であるが、復旧要件は低下している。 今回、ストレージサーバを構築してコールドスタンバイシステムの工夫で、モダリティからの画像の保存、管理などを行ったが、 ホットスタンバイシステムとの違いは、切替方法が「手動」であることと復旧時間が「約10分」のわずか2点である。 当院のコールドスタンバイシステムは、私が思うに『手動によるホットスタンバイ』とでも言えるくらい、 医療業務に殆ど影響がない予想以上のハイコストパフォーマンスを実現した。
費用面で心配されている開業医の方々に当院のシステムが参考になれば幸いである。
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